【イベントレポート】副業社員やフリーランスと共創する!最強のチームの作り方
2019/6/18、シューマツワーカー様とpastureによる共催型イベント、”副業社員やフリーランスと共創する!最強のチームの作り方”が開催されました。LTのテーマは「副業社員・フリーランスのかたと円滑な業務を行うためのチーム作りの秘訣」です。
シューマツワーカーとpastureはどちらもフリーランスや副業社員といった雇用形態の働き方を支援するサービス。今回は企業の担当者として事業運営を行いながらも、それぞれフリーランスとして働いている方々にご登壇いただき、これからの時代の働き方に即したチーム作りのナレッジをシェアいただきました。
登壇したのは下記企業の方々です。
- ベルフェイス株式会社 コーポレート事業部 人事・広報リーダー 西島悠蔵 氏
- デジタルハリウッド株式会社 xWORKS事業部 執行役員 齊藤 知也 氏
ベルフェイス株式会社 コーポレート事業部 人事・広報リーダー 西島悠蔵 氏
「副業が絶対に良いというわけではなく、事業を推進するための1つの手段だと思っています」
こう語るのは、最初に登壇したベルフェイスの人事を務めている西島氏。企業担当者として働く傍ら、これまでのキャリアを活かして個人事業主として副業をしている西島氏に、さまざまな角度から見た企業とフリーランスの関係性構築のポイントについてお話いただきました。
1987年生まれ福岡県出身。 2010年に全日本空輸株式会社新卒入社。パイロットとして勤務。 その後リクルートキャリアに入社。キャリアコンサルティング、人事を経て、 2017年より現職ベルフェイスの人事立ち上げに従事。 現在は採用から組織開発、制度設計、広報PRなど幅広く担当。 Twitter、Wantedly、noteなどで積極的に情報を発信中。
登壇内で語られたのは、副業人材の効果的なマネジメント方法、コミュニケーションの設計および気をつけるべきポイントについて。
まずはマネジメント方法について。マネジメントは難しいからこそ、業務の見える化と整理が重要だといいます。具体的には、業務をクリエーション(思考が必要な業務)とエモーション(面接、面談などの業務)、オペレーション(事務的な業務)に分けるのだそう。
「業務の分類分けをすることによって、どこを誰にパスすればいいのかイメージすることが出できます。また、実際にパスをするときは大きな分類ごとにパスをしていくことを心がけています。自分自身は、クリエイションの部分にかなりの時間を割いています。
面接などは月に300件ほどあるため、マネージャーや部長にお願いをし、広報記事の執筆や撮影などはフリーランスのかたにお願いをして、最終的なチェックだけをすれば良いという設計にしています。」
また、コミュニケーションについてはずれるものという前提の元、細かくポイントを決め、感情・行動ともに齟齬の生まれないを意識しているとのこと。
「slackでのコミュニケーション時は、絵文字を使用することでお互いの想いが伝わりやすくなり、ぐっと距離が近づきます。さらになるべく柔らかい言葉を選ぶように心がけています。基本的に、勤務の開始と終了時にはslackで報告をもらうようにしています。
さらに、slackのコミュニケーションのみでは、近況についての情報ヒアリングなどができないため、各人の日々のコミュニケーション密度に合わせて隔週や月次で1on1を行っています。これは主にZoomなどのビデオチャットを使用しておりますが、対面が必須でなければお互いの業務の合間にも行えますよね。内容については、キャリア相談にのったり、プライベートなことについてもよく話します、相互理解のための良い時間になるんです。
その他では、急ぎの案件は任せないということ、指示は細かく行った上で不明点は都度聞いてもらうという方法を徹底していますね。」
依頼時のコミュニケーション設計から詳しくお話いただき、これから依頼をはじめていきたい!という企業の方にも初期のフロー設計から深く学んでいただける内容のLTでした。
デジタルハリウッド株式会社 xWORKS事業部 執行役員 齊藤 知也 氏
デジタルハリウッド株式会社は、「自分にぴったりあった人生を創る」をテーマに運営を行っています。齊藤氏はxWORKS事業を立ち上げ、卒業のスキルデータベースを再構築・活用して就職や雇用、業務委託など幅広いニーズに対応できる様な体制を創られました。
齊藤氏によると、「基本的にフリーランス=卒業生のため、ハートフルな関係性づくりに力をいれている」とのことでした。
今回は、主にコミュニケーションのとり方、プロジェクトの進め方のコツについてお話をいただきました。
大学卒業後イオン株式会社入社、新規事業部門経て、グラフィックデザイナーに転身、その後、デジタルハリウッド株式会社に入社、専門学校提携事業、法人研修事業、日本初の株式会社立大学大学院、デジタルハリウッド大学院大学設立、スクール事業ゼネラルマネージャーを経て、現在のxWORKS事業を立ち上げ、新しい働きを提案するクリエイターのキャリアサポート事業に取り組んでいる。
まずお話いただいたのは、コミュニケーションのとり方のコツについて。
基本的に、フリーランスの方は個人として仕事をすることが多いため孤独感を持ちやすく、評価も気になるという前提の元、密なコミュニケーションを行っているとのこと。
「お仕事を依頼する際には、単価もしっかりと話し合うなど納得感のあるコミュニケーションを行っています。業務に関しても決して無理強いはせず、適正な価格での提示を心がけています。
また、カジュアルに絵文字を使用してメッセージをしたり、体裁は問わないスタイルを推奨しています。これらのメリットとして、信頼感の醸成や気軽に連絡をしてもらいやすい関係性構築があると考えています。」
また、プロジェクトの進め方においては以下のようなお話をされていらっしゃいました。
「プロジェクトは、役割分担型と1ソース完成型に分けられ、フリーランスには1ソース完成型案件を多く依頼しています。このような案件を進める際には、クライアントと一緒に仕様やレギュレーションをしっかりと決めること、競争できる環境が生まれるように極めて優秀なフリーランスに参画してもらうことによってレベルを上げていくことを重要視しています。」
さらに、実際にパートナーとのお仕事を始める前のキックオフMTGについてもお話しくださいました。
「知らない人と一緒に案件に取り組むという不安感をなくし、良いチームを作るためにも、プロジェクトの開始前には必ず顔合わせの機会を設けています。統括ディレクターがディレクションを行い、基本的にビデオカンファレンスを使用して行っております。」
オンサイトでなくとも、随時お互いの顔を見て話せるチームの環境づくりが大切という考え方は、今後スタンダードになっていくでしょう。
まとめ
スピーカーのお二方には、実際にフリーランスのかたとのチーム作りという観点でご登壇いただきましたが、共通していたのは「密なコミュニケーションを通し、実際にその人の業務状況やライフスタイルまでしっかりと理解した上で寄り添うこと」に重きをおいていることでした。
今後、副業・兼業社員としてリモートワーク等に取り組む人が増えていく中、積極的に社員とフリーランスの垣根を越え、1つの良きチームを創っていくことがうまく業務をまわしていく秘訣となっていくのではないでしょうか。
次回開催にも乞うご期待くださいね。