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フリーランス保護新法とは?下請法との違いや企業が対応すべき内容・背景を解説

2023年4月28日に参議院本会議にて、フリーランスや業務委託の方と取引のある方は必見の新たな法律が全会一致で可決され、法律が制定されることになりました。
フリーランス保護新法、フリーランス保護法などという言葉でニュースでは報じられ、正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」です。この記事では本法がどういった法律なのか、法律が制定される背景、義務化される内容、罰則等について紹介します。

 

フリーランス保護新法とは

フリーランス保護新法の成立背景

フリーランス保護新法は、正式名称を「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案(フリーランス・事業者間取引適正化等法案)」といいます。新法は前回2022年の国会で審議されました。コロナや新しい資本主義の骨子、その他優先事項のために先送りとなっていましたが、2023年4月28日に参議院本会議にて全会一致で可決され、制定されることになりました。

2023年5月現在、法律はまだ施行されていませんが、正式にアナウンスされた施行日から該当の取引における義務や罰則が適される予定です。施行は法案の制定から最長で1年半の時間を要するため、2024年10月までには施行されると頭にいておくとよいでしょう。

これまで特定受託事業者への仕事の発注や依頼に関する法律は、下請法のみでした。下請法には発注事業者、受注事業者の資本金の関係により法令の対象外となる取引が存在していましたが、今回の新法では、これまで下請法の対象外だった取引も下請法と似た義務が規定されます。新法が施行されるまでに、法律違反する発注行為やオペレーションがないかを整備する必要があります

フリーランス保護新法における各種定義

新法では「特定受託事業者」という表現でフリーランスや個人事業主などの業務委託の相手方を定義しており、以下の通りです。

・「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないものをいう。

・「特定受託業務従事者」とは、特定受託事業者である個人及び特定受託事業者である法人の代表者をいう。

・「業務委託」とは、事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造、情報成果物の作成又は役務の提供を委託することをいう。

・「特定業務委託事業者」とは、特定受託事業者に業務委託をする事業者であって、従業員を使用するものをいう。 ※ 「従業員」には、短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含まない。

(「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」概要より引用)
https://www.cas.go.jp/jp/houan/230224/siryou1.pdf

フリーランス保護新法による定義で大きく変わること

ポイントは、特定受託業務従事者と呼ばれる業務を委託される側は、個人及び法人の代表という点です。これまで個人事業主やフリーランスという呼称で呼ばれることが多かった個人のほか、自ら会社を立ち上げて従業員を雇用せず会社として仕事・業務を受託していた一人社長対象になります

対象の定義として「事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造、情報成果物の作成又は役務の提供を委託すること」とあり、下請法*で定められた定義と同じく幅広い取引に適されるように見受けられます。

*….下請法については以下のサイトから詳しい内容をご確認下さい。

pasture お知らせ記事「下請法のわかりやすい解説!基本とポイントを押さえた適切な対策法」
https://www.pasture.work/news/subcontractact-understanding/

フリーランス保護新法施行に際して企業が対応すべきこと

フリーランス保護新法による義務と禁止事項

新法では以下の義務と禁止事項が定められています。順番や表現の一部を要約したものを以下に示します。

・給付の内容、報酬の額等を書面又は電磁的方法により明示

・給付を受領した日から60日以内の報酬支払期日を設定し、支払う

・特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく、受領拒否、減額、返品の禁止、内容変更ややり直しの禁止

・正当な理由なく、指定したものの購入や役務利用を強制を禁止

・自己のために金銭、役務、その他経済上の利益の提供させるの禁止

・募集情報を出す際は、虚偽の表示は禁止、かつ最新の状態にする

・育児介護と両立し業務を行えるよう申出に応じて必要な配慮をする

・ハラスメント行為に関わる相談対応の体制を整備する

・中途解除する場合は、30日前に予告する

 

本文を参照したい方は以下のURLをご覧ください。

(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 内閣官房ホームページより)
https://www.cas.go.jp/jp/houan/230224/siryou3.pdf

 

フリーランス保護新法違反した場合

今回の新法では、以下の記載があり、厚生労働大臣も違反行為に対しての助言や指導等を行いますが、当該対応は下請法と明確に異なります省庁を横断した取り組みで、発注側の企業はこれまで以上に特定受託業務従事者とコラボレーションする環境整備を進めていく必要があるでしょう。

公正取引委員会、中小企業庁長官又は厚生労働大臣は、特定業務委託事業者等に対し、違反行為について助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令をすることができるものとする。 ※ 命令違反及び検査拒否等に対し、50万円以下の罰金に処する。法人両罰規定あり。

(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 内閣官房ホームページより)
https://www.cas.go.jp/jp/houan/230224/siryou3.pdf

 

フリーランス保護新法によって求められる企業の対応

フリーランス保護新法はまだ施行されていないものの、遅くとも2024年10月には施行されるものと考えられます。施行日から該当の取引における義務や罰則が適用される予定です。
さまざまな義務や禁止事項が定められていますが、要は取引を適切に行うための法律です。

もしこれまで口頭で依頼をしたり、発注後に金額を減額するなどの対応をしていた場合は、企業および個人に対して罰則が適用されます。
働き方の多様化により、フリーランスと仕事をする企業も増えてきたかと思いますが、今回のフリーランス保護新法の内容を理解し、発注書面の準備や、フリーランス・業務委託事業者(特定受託事業者)との業務内容の認識の擦り合わせ、また支払サイトの見直しなどの準備が必要です。

 

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