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経理のミスを防止する方法とは?

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経理の業務では、売上や仕入れ、経費など、企業活動によって生じるお金の流れを記録・管理します。数字を扱う業務であるだけに、経理担当者には正確性が求められます。経理業務の一つのミスが経営に影響を及ぼすケースもあるため、会社としても経理部門のミス防止対策をおろそかにすることはできません。今回は、経理業務で発生しがちなミスや、その原因、防止策などを解説していきます。



 

■経理業務でよくあるミス

経理業務で発生するミスの内容は企業によって変わってくると思いますが、一般的に起こりがちなミスとしては以下の5つが挙げられます。

●数字の入力ミス
非常に多く見られるのが、数字の入力ミスです。「0」の数を間違えて桁がズレてしまったり、隣り合う数字を逆に入力してしまったりするのは、経理担当者なら誰もが経験している「あるある」だと言えるでしょう。電卓での計算、送金・振込、Excelや経理ソフトへの入力など、ちょっとした打ち間違いが大きな問題に発展するケースもあります。

●入力箇所のミス
伝票を見ながら取引内容を入力する際、貸方と借方を間違えて逆に入力してしまったり、勘定科目の金額を入力する際、誤って別の科目の箇所に入力してしまったりするミスも少なくありません。

●二重計上
同じ取引をダブって計上してしまう二重計上も、経理業務において起こりやすいミスの一つです。たとえば、請求書や領収書を訂正して再発行した場合に、「訂正前のもの」と「訂正後のもの」を両方保存してしまったために二重計上が起こるケースがあります。また、クレジットカードでの支払いを未払金ではなく小口現金として処理してしまうことで二重計上になるケースもあります。

●領収書の紛失
領収書の紛失も、経理業務で起こりがちなミスだと言えます。原因はいろいろ考えられますが、経理担当者がデスクに置きっぱなしにしてしまったり、保管場所に関するルールが徹底されていなかったりするケースが多いようです。

●在庫の計上漏れ
在庫販売をおこなう企業では、在庫の計上漏れが起きることがあります。在庫は常に変動しているため、人が目視で数えていると、どうしても確認不足や計算ミスが起こり、計上漏れが発生してしまいます。

 

■経理業務でミスが起きる原因とは?

経理業務のミスを防止するには、ミスの原因を突き止めることが大前提になります。ですが、ミスの原因を特定するのは容易ではなく、複数の要因が絡み合ってミスが生じているケースも少なくありません。一般的には、以下のような要因が経理業務のミスにつながると言われています。

●担当者の知識不足
経理担当の知識が不足していると、たとえば勘定科目を間違えたり、計算を間違えたりするミスが起こります。この場合、担当者自身がミスだと認識していないので、自分で気付いてリカバリーすることもできません。

●担当者の集中力低下
経理業務は細かい作業が連続することが多く、集中力が低下したときにミスが起こります。とはいえ、人間であれば集中力に波があるのは当然のこと。ミスを削減するには、「どういうときに集中力が低下するのか?」「どうすれば集中力を維持できるのか?」ということを突き詰めていかなければいけません。

●膨大な作業量
多くの経理部門が、「作業量に対して人員が少ない」という課題を抱えています。企業規模が大きくなるほど経理の作業量は増え、業務も複雑化していきます。その結果、ミスが増大している可能性は否定できません。

●業務の属人化
経理のミスが多い企業は、業務が属人化しているケースが少なくありません。担当者によって業務のやり方や手順、時間のかけ方が違うと、ミスが生じやすくなるだけでなく、部門全体としての改善も難しくなってしまいます。



■個人で経理のミスを防止するポイント

経理業務のミス防止対策は、ミスが「個人レベルで発生しているのか、組織レベルで発生しているのか」によって変わってきます。個人レベルでのミスを削減するには、個々の担当者が自らの作業を見直し、作業手順や意識を変えていかなればいけません。その際は、ぜひ以下の3つのポイントを心がけてみましょう。

●ミスが起こりやすい経理業務を把握する
個々の経理担当者が「どんな業務でミスが起こりやすいのか?」を知っておくことで、ミスの防止につながります。道路でよく見かける「交通事故多発」の標識と同じで、気を付けるべきポイントを認識したうえで作業をするのと、何も考えずに作業するのとでは、業務の正確性やミスの発生率に大きな差が生まれます。上述した「経理業務でよくあるミス」を念頭に置いて業務に当たることが重要です。

●整理整頓を心がける
散乱したデスクの上に請求書や領収書を置きっぱなしにしていると、いつの間にか他の書類に紛れてしまったり、差し替わってしまったりすることがあると思います。基本的なことですが、デスクや社内の共有フォルダを整理することで経理業務のミス防止につながります。理想的なのは、書類・データの所在が分かりやすく、必要なときに必要な書類・データをすぐに取り出せる状態です。

●集中力を維持できるようにする
細かい作業を連続的におこなう経理業務では、集中力の低下がミスの増加に直結します。普段から、集中力を持続させるための工夫をする必要があります。

「ちょっと疲れたな」と思ってから休憩するのではなく、時間を決めてこまめに休憩をとるのは一つの手です。「ポモドーロ・テクニック」という時間管理術をご存じでしょうか。これは、「25分の作業と5分の休憩」を1セットとして繰り返し、4セットごとに15分~30分の長めの休憩をとることで集中力が持続するというもの。経理担当者なら試してみる価値はあると思います。

 

■組織で経理のミスを防止するポイント

複数のメンバーが同じミスを繰り返している場合など、経理業務のミスが組織レベルで発生している場合は、組織全体で対策を講じる必要があります。組織で経理のミスを防止するためには、以下のような対策が効果的です。

●ミスを記録する
経理業務でミスが生じたら迅速に対処する必要がありますが、対処して終わりにしてはいけません。「いつ、どの工程で、どんなミスが発生したのか?」を一定期間、記録しておくのがおすすめです。ミスの記録を見ることで、ミスの傾向を把握したりミスの原因を分析したりするのに役立ちます。

●マニュアルを作成する
経理の業務マニュアルを作ることで業務の品質が一定になり、ミスの削減につながります。すべての業務をマニュアル化するのは時間がかかるので、最初はミスが生じやすい工程だけをピックアップしたマニュアルでもいいでしょう。マニュアルがあれば、新人が入ったときの教育にも活用できます。

●ダブルチェックを実施する
経理業務のミスを削減するためには「チェック」が欠かせませんが、人手不足からセルフチェックで済ませている企業も多いかもしれません。徹底してミスを防止するには、ダブルチェックが必須です。もちろんすべての業務をダブルチェック体制にする必要はなく、セルフチェックで対応できる業務もあると思います。一方で、ミスによる影響が大きい業務などはトリプルチェックを検討してもいいでしょう。

ダブルチェックの目的はミスを発見することですが、別の効果として、内部けん制が働くことによって不正の抑制にもつながります。

ダブルチェックを実施するうえでも、上述したマニュアル化は必須です。一般的に経理のチェックマニュアルでは、チェック項目やチェック方法、チェックの順番やチェック者の選定方法などを決定します。

●システムを導入する
経理業務におけるほとんどのミスは、「手作業」に起因していると言っても過言ではありません。経理業務のなかには、難しい判断を必要とせず、機械的に処理できる業務もあります。このような定型的な経理業務をシステム化することで、業務効率化とミスの削減を同時に実現できるはずです。

たとえば、以下のようなシステム・ソフトは多くの企業で導入されています。

▼会計ソフト
「会計ソフト」や「経理ソフト」と呼ばれるシステムを導入することで、経理業務を効率よく進められるようになります。
会計ソフトは様々な製品がありますが、ほとんどの製品に、銀行口座やクレジットカードの明細が自動的にソフト上に反映される機能があります。わざわざ手入力で記帳する必要がなくなるので、これだけでも作業時間は大幅に短縮され、ミスの削減につながります。

▼経費精算システムや請求書発行システム
経理業務のなかでも負担が大きいルーティンワークが、経費精算や請求書発行だと言われます。「経費精算システム」や「請求書発行システム」を導入することで、ほとんど手作業を介することなくルーティンワークを処理できるようになり、結果的にミスの削減につながります。

経理業務に役立つシステムは数多くありますが、フリーランスとの取引が多い企業には、フリーランスに特化した発注・請求管理システム「pasture」がおすすめです。電子請求書の作成から、請求・入金・支払管理までを効率化でき、手作業によるミスを大幅に削減可能。会計ソフトとも連携できる「pasture」の詳細はこちら(https://www.pasture.work/)

■まとめ~経理の人的ミスを減らすにはシステム化が必須!

経理業務の内容は多岐にわたり処理すべき量も多いので、人が手作業でおこなっている以上、ミスを完全になくすのは困難です。とはいえ、一つのミスがきっかけで取引先の信頼を失ったり、経営者の判断を誤らせたりすることがあります。このようなリスクを低減するには、手作業を最小限にすること、そして、システムで処理できる業務は積極的にシステム化することが重要です。



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