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請求書の端数は切り捨て・切り上げどっち?消費税改正後の対応も説明

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請求書を発行する際、消費税などの計算の結果、金額に小数点以下の端数が出ることがあります。その場合、御社ではどのように対応していますか? Excelや会計ソフトの設定に任せていて、担当者レベルでは切り捨てなのか、切り上げなのか、四捨五入なのかを認識していないケースも多いかもしれません。今回は、請求書の端数処理について正しい対応などについて解説していきます。




■消費税額で端数が出た場合の対応

請求書に端数が出る要因として多いのは、10%や8%を乗じて計算する消費税額です。端数処理の選択肢は通常、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」のいずれかですが、消費税の計算によって端数が出た場合はどれを選択しても構いません。国税庁のホームページでは、消費税額で端数が出た場合の処理について以下のように記載しています。

総額表示に伴い税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときには、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。

※引用:No.6902 「総額表示」の義務付け|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902.htm

つまり、企業の判断で端数処理の方法を決めて良いわけですが、注意したいのが取引ごとに端数処理の方法が変わってしまうことです。たとえば、請求書を発行する担当者によって端数処理の方法が違うと、請求書を受け取った取引先を混乱させてしまうケースもあります。また、取引先と端数処理の方法が異なっていると、請求額の計算が合わずトラブルに発展してしまう可能性もあるでしょう。

請求書を発行する際は、事前に取引先と間で端数処理方法に関する認識を合わせ、社内で対応を統一する必要があります。なお、一般的には「切り捨て」によって端数処理をしている企業が多いようです。


■インボイス制度における端数処理の注意点

インボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートすると、請求書の書き方が変わります。

そもそも、インボイス制度とは、所定の要件を記載した請求書等の発行・保存が求められる制度のことを言います。2023年10月1日からスタートしますが、その前の4年間(2019年10月1日~2023年9月30日)は、経過措置として「区分記載請求書等保存方式」が適用になります。

 

2023年9月までの区分記載請求書等保存方式と、2023年10月以降のインボイス制度(適格請求書等保存方式)、それぞれにおける請求書の記載項目や書き方をご説明します。

 

区分記載請求書等保存方式における請求書の記載項目

① 区分記載請求書発行者の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 取引の内容
④ 受領者の氏名又は名称
⑤ 軽減税率の対象品目である旨(「※」印等をつけることにより明記)
⑥ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)

 

インボイス制度(適格請求書等保存方式)における請求書の記載項目

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 取引の内容
④ 受領者の氏名又は名称
⑤ 適格請求書発行事業者の登録番号
⑥ 軽減税率の対象品目である旨(「※」印等をつけることにより明記)
⑦ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率
⑧ 税率ごとに区分して合計した消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額)

 

インボイス制度がスタートすると、請求書に適用税率ごとに対価の額や消費税額を記載することが求められます。どの品目が8%で、どの品目が10%であるのか、それぞれ消費税額はいくらなのかを明確に記載しなければいけません。

そして、消費税の計算において発生した端数は、「1請求書あたり、税率ごとに1回ずつ」端数処理をすることとしています。つまり、軽減税率8%の商品だけの合計額と、標準税率10%の商品だけの合計額で、それぞれ1回ずつ端数処理をおこないます。個々の品目ごとに消費税を計算して端数処理をするのはNGなので注意が必要です。


■売上額で端数が出た場合の対応

たとえば、作業時間によって数量が変動する取引など、売上額において端数が出るケースもあります。売上額で端数が出た場合は、受注側の判断で端数処理をおこなって請求書を発行してはいけません。必ず、取引先に端数処理の方法を確認したうえで、共通認識のもと請求書を発行するようにしましょう。

売上額において端数が出る可能性がある場合は、トラブルを回避するため、取引をおこなう前に端数処理の方法を決めておくのが理想的です。


■まとめ~請求書の端数処理方法は社内で統一しよう

Excelや会計システムなどを使って請求書を発行する場合は、通常、自動的に端数処理がおこなわれます。現在使っているExcelファイルや会計システムで適切な端数処理がおこなわれているかどうか、一度確認しておくのがいいでしょう。

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