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【ライターマネジメント入門】ライターに高品質でスケジュール通りに納品してもらうマネジメント方法とは

こんにちは、pasture編集部の佐野創太です。

これまでにサイトの立ち上げから編集、ライター業務を経験してきました。今はフリーランスとして新サービスや新メディアの事業開発からライティング担当として5プロジェクトを同時で進行させています。
そんな「ライティング×事業開発」の経験の中でよくいただく相談はこちらです。

<よくいただく相談>
ライター業務をフリーランスに任せたいのだけど、初めてだからどうマネジメントしたら良いか分からず不安です

ライティングと一言でいっても、実際に記事になるまでにはたくさんの段階があります。ここを意識せずに「テーマ・期日」だけをライターに伝えると、編集や校正の手間がかかって「自分で書いた方が早い」という事態になることもあります。
一方で、適切なライター業務の切り出しができれば、初めてのプロジェクトであっても高品質な記事をスケジュール通りに配信する体制を作ることが可能になります。

本日は「ライターのマネジメント」をテーマに、その中でも「ライター業務の切り出し方」についてお伝えします。特に誰かにインタビューをして記事をまとめるライター業務になります。

(1)業務の切り出しの第一歩は、8ステップの業務分解にある

ライターに業務を任せる一歩目は、記事が出来上がるまでの8ステップを整理することです。「高品質な記事を期日通りに納品してもらう」8ステップは下記になります。

実際のWEBサイトの運用だと「5.文字起こし」や「7.校正」がないケースがあります。
「1.企画」段階からライターに任せるケースもあれば、「3.インタビュー」から任せる場合もあります。

「どこから任せるか」はサイト編集チームの人数や納品までのスピードなど、様々な要素から判断されるべきものですが、最も考慮すべき要素は「ライターの経験」です。普段から「1.企画」から「5.文字起こし」まですべて実施しているライターもいれば、「3.インタビュー」から「5.文字起こし」までを担当しているライターもいます。このライターの経験によって、任せる業務の範囲は変わります。

実際に起きたことのあるケースをお伝えします。
ライターに「2.インタビュー相手との調整」の経験がない場合です。しかし、ある編集部では「ライターであればインタビュー相手との調整はできるであろう」と考えて確認せずに、案件をスタートさせました。

しかし、ライターにとっては初めての取材相手へのアポ依頼であったため、納品スケジュールに間に合わないほど先の日程で設定してしまいました。こういった「編集部で想定している経験をライターがしていない」というケースはよく発生するのです。そのため、ライター募集や面接の段階で「8ステップの中でどこまでの業務を経験しているか・任せたいか」をすり合わせることも「業務の切り出し方」に含まれるのです。

(2)初めてのライターマネジメントでは、任せる業務は3つに絞る

ここまでライター業務を8ステップに分ける大切さを記載しました。では、「初めて外部のライターに記事の執筆依頼を出す」場合は、実際にどこまで任せれば良いでしょうか。結論として、ライターに任せるべき業務は「3.インタビューの実施」、「4.ライティング」、「5.文字起こし」の三つの業務です。

初めてのライターマネジメントの場合はライターの経験範囲が分かっていなかったり、自分たちが一つの記事にかけられる工数が把握できていなかったりします。そのため、任せるかどうかの基準は「ライターであれば当然持っている強みを生かせる業務かどうか」です。それが「3.インタビューの実施」、「4.ライティング」、「5.文字起こし」なのです。

この三つに絞るべき理由には、「多様なライターの出現」があります。今ではライターと一言で言っても様々なタイプのライターがいるのです。取材をして記事を作るインタビューライターもいれば、自分の経験を生かして活動するコラムニストやブロガーに近いライターもいます。SEOライティングに特化したライターもいます。書籍を作るブックライターという仕事も『職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法』の著者の上阪徹さんの活躍によって認知を広げています。

特に資格の必要ない職種であるため、ライターと名乗っていても請け負える業務には大きな違いがあります。そんな多種多様なライターの中でも、共通している強みが上記の「3.インタビューの実施」、「4.ライティング」、「5.文字起こし」なのです。

反対に、もしこの三つの経験がなくて「ライター」を名乗っていたら、そのライターの採用は慎重になる必要があるでしょう。

(3)「切り出しNGの仕事」もある。それは「サイトのコンセプト、トンマナの理解」と「客観性の有無」で判断する

ライターに任せるべき業務が明らかになりましたので、次に考えるべきは「自社で担うべき業務」です。

自社で巻き取る必要のある業務かどうかを判断する基準もはっきりしています。自社で担うべき仕事に必要な業務には、「サイト・メディアのコンセプト、トンマナの理解」と「客観性の有無」を含みます。それぞれ見ていきます。

「サイト・メディアトのコンセプト、トンマナの理解」は、そのサイト・メディアで出したいイメージ、読者に持って欲しい印象などを指します。会社によっては「親会社の決裁者も見るから譲れない点がある」というケースがあります。この微妙なニュアンスは内部の人にしか分からず、外部のライターに短期で伝えるのは困難です。

そのため、「サイト・メディアのコンセプト、トンマナの理解」という基準で判断される「自社で担うべき業務」は、「1.企画」と「2.インタビュー相手との調整」です。

「1.企画」には記事のテーマや想定読者、伝えるメッセージの選定といった記事の方向性を定めるものです。これはサイト・メディアができた背景や目的から作られます。そのため、サイト・メディアを構築する初期段階から参画していなかったライターが編集部の意図を汲み取った企画を立てるには時間がかかると想定すべきでしょう。

「2.インタビュー相手との調整」が少し分かりにくいかもしれませんので、例を挙げます。例えば、サイトが重視するトンマナがライト・カジュアルではなく、真面目・伝統であった場合は取材相手にも真面目・伝統を重視して欲しいと考えるケースがあります。具体的には依頼するメールの言葉遣いや取材時の服装などです。

あるサイト編集部では「記事の品質に問題はなかったが、取材先からの心象の問題で契約を打ち切った」というケースもあります。

二つ目の基準である「客観性の有無」で判断されるべきものは、「6.編集」と「7.校正」です。

「6.編集」の大きな役割としては、記事が「1.企画」で上がった記事のテーマ、想定読者、伝えるメッセージの選定に沿った内容になっているかを見極めることです。この作業には「第三者から見てどうか」という俯瞰の視点が求められます。

一方でライターは「1.企画」内容を基にインタビューをして記事を仕上げますが、どうしてもインタビュー当日に聞いた内容や自分が良いと思った内容を基に記事を作ってしまう傾向にあります。つまり、主観的になって「1.企画」からずれていくことがあるのです。そのため、「6.編集」部分は自社で行う、もしくは外部の人に任せる場合でもライターとは違う人をアサインして客観性を担保する必要があります。

「7.校正」に関しては、「6.編集」よりもさらに客観性が重要になります。ここではライティングの大前提である「自分が書いた文章の間違いは見つけられない」を知っておくと良いでしょう。これは文章が生業であり、さらに校正を入れている書籍の世界でも誤字脱字が見られることからも、それだけ文章の誤りを見つける校正は高度な作業と言えるのです。

(4)本日のまとめ

それでは、最後に本日のテーマである「初めてのライターマネジメントでも、いかに高品質な記事をスケジュール通りに作るか」のポイントをまとめます。

(5)編集後記

本日は「初めてでも成功するライターマネジメントに必要な業務の切り出し方」をテーマに、記事制作の8つのステップ、ライターに任せるべき業務と自社が担うべき業務の基準を整理しました。

このポイントさえ押さえておけば、オウンドメディアや採用HPを拡大する際にライターが増えても、高品質を保ったままストレスなくマネジメントを進めることができるようになります。

ライターの強みに集中し、自社がすべきことを明確にすることがライターマネジメントの要諦です。この記事をきっかけに、ライターと良好なパートナーシップを築く手がかりにしていただければ幸いです。

| ライタープロフィール
佐野創太

pastureライター。フリーランスとして「外注ではなくパートナー関係を構築できたプロジェクトは高い成果かつ、長期的な関係が作れる」という経験を基に、pastureの『フリーランスと企業のパートナーシップを作る』というコンセプトに賛同して参画。

大手総合人材会社での中途採用の法人営業、新規事業担当、採用担当を経て独立。現在は複数の新サービスや新メディアを事業開発と「サービスの価値の正確な言語化」を手がけるCWO(Chief Writing Officer)として活動している。

「誤解の解消」を生業とし、HR領域・不動産領域・共働き領域とジャンルは問わない。また、経営層・現場・採用チームへの調査、ヒアリング、採用競合に勝てる強みの言語化を通じて採用ブランディングを行う採用情報のコンサルタントとしても活動。ライター/編集者としてはビジネス書のベストセラー作家や経営者、ミュージシャンや漫画家などビジネス領域から芸術領域まで幅広く執筆している。

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