TOPお知らせ収入印紙の勘定科目はどれ?購入時・決算時の仕訳の違いも解説- pasture

収入印紙の勘定科目はどれ?購入時・決算時の仕訳の違いも解説- pasture

契約書や領収書などの課税文書を作成する際には、印紙税法によって印紙税を納付することが義務付けられています。印紙税の金額は課税文書の種類などによって異なりますが、定められた金額分の収入印紙を購入して納税することになります。このとき、収入印紙は基本的に「租税公課」の勘定科目で会計処理をおこないますが、いくつかの例外や注意点があります。

今回は「収入印紙の勘定科目」にフォーカスして、具体的な仕訳例などを解説していきます。

 

■収入印紙とは?印紙税法の基礎知識

収入印紙とは?

収入印紙は、主に印紙税を納付する際に用いられる証票です。印紙税法では、印紙税を納めるべき20種類の「課税文書」が定められおり、課税文書を作成する際には定められた金額分の収入印紙が必要になります。収入印紙を購入して、それを課税文書に貼り付けて「消印」をすることで印紙税を納付します。

代表的な課税文書としては契約書や領収書などが挙げられますが、これらの文書が作成されるときには、その取引によって当事者に経済的な利益が生じていると考えられます。経済的利益が生じているということは、国が税金を徴収する根拠になります。そのため、「課税文書に収入印紙を貼る」という形で印紙税を納付するルールになっているのです。

なお、領収書やレシートは課税文書(17号文書「上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」)に該当しますが、日常生活で受け取るレシートに収入印紙が貼られているケースはほとんどないと思います。なぜなら、税抜き5万円未満のレシートは非課税とされているからです。このように、課税文書だからと言ってすべてに収入印紙が必要になるわけではありません。印紙税が課せられる場合も、文書の種類や記載されている金額などによって税額は変わってきます。
課税文書の種類に対応した印紙税額は、以下の国税庁のWebサイトでご確認ください。
印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

 

収入印紙はどこで買えばいい?

収入印紙は1円〜10万円まで全部で31種類ありますが、31種類すべてを扱っているのが郵便局です。高額の収入印紙を購入するときやまとめ買いをするときは、郵便局に行くのがおすすめです。郵便局以外では、コンビニ、法務局、タバコ屋、金券ショップなどでも収入印紙を扱っています。金券ショップでは額面より安い金額で収入印紙を販売しているため、コストを抑えたい場合は金券ショップで購入したほうが良いかもしれません。

なお、原則として収入印紙に消費税は課税されませんが、金券ショップで購入する場合は消費税が課税されます。会計処理に影響があるので、しっかり認識しておきましょう。

収入印紙を購入したときの勘定科目は「租税公課」

印紙税を納付するために収入印紙を購入し、それをすぐに使用した場合は「租税公課」の勘定科目で経費にすることができます。なお、収入印紙は不動産登記や商業登記を申請する際にも必要になりますが、この場合も勘定科目は「租税公課」で差し支えありません。

具体例を挙げて、仕訳方法を見ていきましょう。
①収入印紙を郵便局で購入した場合
▼例①:郵便局で5,000円分の収入印紙を購入し、現金で支払いをして、すぐに収入印紙を使用した場合の仕訳
→ 郵便局で収入印紙を購入しているので消費税は非課税です。
→ すぐに収入印紙を使用しているため、勘定科目は「租税公課」を使用します。

借方勘定科目 貸方勘定科目
租税公課 5,000円 現金 5,000円

 

②収入印紙を金券ショップで購入した場合
▼例②:金券ショップで5,000円分の収入印紙を4,900円で購入し、現金で支払いをして、すぐに収入印紙を使用した場合の仕訳
→ 金券ショップで収入印紙を購入しているので消費税(8%)が課税されます。
→ すぐに収入印紙を使用しているため、勘定科目は「租税公課」を使用します。

借方勘定科目 貸方勘定科目
租税公課 4,538円 現金 4,900円
仮払消費税 362円

 

収入印紙を買い置き・保管しておくときの勘定科目は「貯蔵品」

企業活動において収入印紙は日常的に必要になるため、切手などと同じようにまとめ買いをして、その都度使用している企業も少なくありません。通常、収入印紙は消印をして使用した時点で経費計上するため、未使用のまま保管しておく場合は「貯蔵品」という勘定科目を使います。ただし、まとめ買いをしたタイミングで一括して「租税公課」として計上し、決算時に未使用分を「貯蔵品」に振り替えても問題はありません。

具体的な例を挙げて、仕訳方法を見ていきましょう。

③購入時に「貯蔵品」として処理する場合
▼例③-1:郵便局で5,000円分の収入印紙を購入し、現金で支払いをして、会社にストックしたときの仕訳
→ 郵便局で収入印紙を購入しているので消費税は非課税です。
→ 収入印紙を未使用のまま保管しているので、勘定科目は「貯蔵品」を使用します。

借方勘定科目 貸方勘定科目
貯蔵品 5,000円 現金 5,000円

 

▼例③-2:契約書に1,000円の収入印紙を貼って交付したときの仕訳
→ 収入印紙の購入時に「貯蔵品」として計上している場合、収入印紙を使ったタイミングで「租税公課」勘定に振り替えます。

借方勘定科目 貸方勘定科目
租税公課 1,000円 貯蔵品 1,000円

 

▼例③-3:決算時、4,000円分の収入印紙が在庫として残っていたときの仕訳

→ 収入印紙を使用したときに「租税公課」として計上しているので、決算時の仕訳は必要ありません。

③でご説明した会計処理は、収入印紙を購入したときにすべてを「貯蔵品」として資産計上し、期中に収入印紙を使用するたびに「租税公課」勘定に振り替えます。この方法は、収入印紙を使うたびに仕訳が必要になるので手間がかかります。収入印紙を使う頻度が高い会社などにはおすすめできません。

 

④購入時は「租税公課」で処理して、決算時に「貯蔵品」勘定に振り替える場合
▼例④-1:郵便局で5,000円分の収入印紙を購入し、現金で支払いをして、会社にストックしたときの仕訳
→ 郵便局で収入印紙を購入しているので消費税は非課税です。
→ 収入印紙をすぐに使用していませんが、いったん「租税公課」として計上します。

借方勘定科目 貸方勘定科目
租税公課 5,000円 現金 5,000円

 

▼例④-2:契約書に1,000円の収入印紙を貼って交付したときの仕訳
→ 収入印紙の金額は一括して「租税公課」として計上されているため、収入印紙を使ったときの仕訳は必要ありません。
▼例④-3:決算時、4,000円分の収入印紙が在庫として残っていたときの仕訳

→ 残っている収入印紙の金額を「租税公課」から「貯蔵品」勘定に振り替えます。

借方勘定科目 貸方勘定科目
貯蔵品 4,000円 租税公課 4,000円

 

▼例④-4:翌期首の仕訳
→ 翌期に繰り越された収入印紙の未使用分は、翌期に使用されることになるので、再び「貯蔵品」から「租税公課」勘定に振り替えます。

借方勘定科目 貸方勘定科目
租税公課 4,000円 貯蔵品 4,000円

 

④でご説明した会計処理は、収入印紙を購入したときにすべてを「租税公課」として経費計上し、決算時に未使用分を「貯蔵品」勘定に振り替えます。そのため、期中に収入印紙を使用するたびに仕訳をする必要がありません。手間がかからない簡便な方法なので、実務的にも広く採用されています。

 

公課と貯蔵品について

最後に、「租税公課」と「貯蔵品」という勘定科目について触れておきます。

勘定科目解説「租税公課」とは?

租税公課とは、国税や地方税などの税金である「租税」と、国や公共団体へ納める会費や罰金などの「公課」を合わせた勘定科目です。租税の代表的な例としては、印紙税、自動車税、固定資産税、登録免許税などが挙げられます。公課の代表的な例としては、印鑑証明書や住民票の発行手数料、同業者団体や組合などの会費、組合費などが挙げられます。

本記事で解説している収入印紙をはじめ、多くの租税公課は経費として計上できますが、経費に計上できない租税公課もあります。

勘定科目解説「貯蔵品」とは?

貯蔵品とは、商品・原材料以外のこまごまとした物品のうち、未使用のものを資産計上するための勘定科目です。代表的なところで言えば、切手や収入印紙、文房具やコピー用紙、ガムテープや段ボールなどが挙げられます。

一般的にこれらの物品はまとめて購入され、購入してすぐに使われるケースはあまりありません。未使用のまま会社にストックされることが多いので、原則として購入時には費用として計上せず「貯蔵品」として資産計上し、使用したタイミングで費用計上します。しかしながら、切手や文房具を使うたびに会計処理をするのは非常に煩雑で、現実的ではありません。そのため、継続的に購入する物品については購入時に費用計上することが認められています。これが、上記の④で解説した方法です。

 

まとめ~課税文書を電子化すれば収入印紙は不要に!

課税文書に該当する契約書や領収書を発行する際には、収入印紙を貼って印紙税を納税しなければいけません。もちろん、収入印紙を購入・使用したら、本記事で解説したような会計処理が必要になります。しかし、契約書や領収書などの課税文書を電子データで作成すれば、印紙税法は適用外になります。収入印紙にかかるコストを節約できるだけでなく、それにともなう会計処理・仕訳も不要になります。

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