TOPお知らせ【カンファレンスレポート#3】外部人材の活用は企業にどのような影響を与えるか セッション3

【カンファレンスレポート#3】外部人材の活用は企業にどのような影響を与えるか セッション3

『TEAM UPDATE』正社員もフリーランスも。あなたの組織にダイバーシティを

2019年11月22日に、pasture(パスチャー)初のカンファレンスとして『TEAM UPDATE』を開催しました。フリーランス人口はどんどん増加(*1)。働き方改革により「副業」に興味を持つ社員は正社員の約9割にのぼります(*2)。もしかすると、うまく社外のメンバーを巻き込むことが、これからのチーム作りに重要になってくるかもしれません。どのようにチームづくりをアップデートしていくべきかーーアップデートされたチームとはどのようなものなのか。

4つのセッションのうち、この記事ではセッション3「フリーランス活用の実践と課題」の内容をレポートいたします。

モデレーターはpasuture(パスチャー)事業責任者の高澤真之介、登壇者は岡本祥治氏、 松村幸弥氏、齊藤 知也氏。クリエイターからコンサルまで、フリーランスと企業をマッチングさせている3社が集結。外部人材を活用した成功事例や失敗事例などを踏まえて、フリーランス人材が企業に与える影響についてお話しいただきました。

外部人材活用のプロのお三方からの成功・失敗事例を元にしたお話は、特にフリーランスへ仕事を頼みたいけれど、一歩踏み出せていないという企業の方には参考になるかと思います。ぜひご覧ください。

 

フリーランスとの取引の現状。まだまだ少ないフリーランスとの取引経験。

 

高澤:フリーランスとの取引の現状ですが、経済規模としては20.4兆円あると言われています。実際に、フリーランスとどのぐらい仕事をしていますか?と1,000人程の会社員の方に聞いてみると、33.3%程でした。

高澤真之介/エン・ジャパン株式会社 pasture(パスチャー)事業責任者:2017年10月よりエン・ジャパン株式会社に入社し、過去に自身もフリーランスとして働いていた経験から、フリーランスマネジメントシステム「pasture」の立ち上げに参画。pastureに携わるメンバーは約4割が外部パートナーで構成され、pastureのビジョンである「発注者とパートナーの境目をなめらかにする」を体言できるチームづくりを実践中。

 

活用できていない一番の理由は、「マッチングの難しさ」があげられます。他にも「フリーランスの活用事例がなく、通しにくい」「フリーランスに依頼したい業務を整理できていない」などの理由です。

そのため、フリーランスをマッチングするエージェント機能は今後も必要になってきています。一方で、フリーランス活用をしている企業の満足度は高く、約80%の企業が「成長につながる」と答えています。

 

フリーランスとの取引経験がある会社は33.3%。今後どうなるのか。

 

高澤:この33%について、お三方にお伺いしていきたいと思います。

岡本氏(以下、岡本):みらいワークスでは大企業との取引が多いのですが、東京だとこのぐらいではないかと感じます。日本全国だともっと少なくなるでしょうね。ただ、「無い」と答えている方の中でも、大企業などでは正社員しか基本いないので、そこに少し来ているフリーランスに気づいていない人もいるかもしれないですね。

松村氏(以下、松村):シューマツワーカーは、副業したいIT人材と企業をマッチングするサービスを展開しています。”企業が副業の人と仕事をしたことはありますか”だと、10分の1ぐらいとか、もっと少なくなると思います。人は足りていないのですが、副業の人と仕事をしたいというニーズが顕在化している企業は少ないです。

齊藤氏(以下、齊藤):デジタルハリウッドというクリエイター育成スクールを運営しており、卒業生のマッチングを行っています。雇用からフリーランスまで幅広くマッチングしているのですが、企業はフルタイム正社員にこだわっているケースが多く、まだまだフリーランスの活用ができていません。業務の整理ができていなくて、フリーランスに発注できていないケースも多いです。

 

高澤:齊藤さんにお伺いしたいんですが、デジタルハリウッドに入学される方はフリーランス志望の方が増えていると聞いているのですが、実際どうですか?

齊藤:フリーランス志望が増えています。3-4年前は入学者の3分の1ぐらいでしたが、今は半分以上がフリーランス志望です。

高澤:なるほど。フリーランス、またフリーランス志望の方は増えているが、まだ取引は少ないのではないかというのがお三方の見解ですね。シューマツワーカーの松村さん、この33%は、どのように増えていくとお考えですか?

松村:増えていくのは間違いないと思っています。優秀なエンジニアやマーケッターは、一部のIT企業に集中しています。地方企業が物をネットで売りたいと思ったときに、リソースを確保しようとすると、そういった方に副業で頼むしかなくなってくるはずです。

高澤:一部のWeb系企業に固まっている人材が、副業で地方の仕事を行うことで、取引数が増えていくのではないか?ということですよね。地方がキーになってくるということですか?

松村:そうですね、そうせざるを得なくなってくると思います。最近、岡本さんも地方に力をいれていらっしゃるんですよね?

岡本:おそらく地方はキーになると思います。これから訪れる人材不足で、フリーランスの活用は劇的に進むと思います。この1-2年ぐらいで急激に人が足りなくなってきていませんか?今はまだ「正社員とれないよね」と悩んでいる状態ですが、いよいよ「正社員じゃなくても、人がいないとダメだ」となった時に、「フリーランスという選択肢がある」と気付くと思います。

高澤:人手不足がフックになって、雇用形態関係ない状態になり、フリーランスの活用が進むということですね。

 

フリーランス人材を活用して成功した事例に多いのは、意外にも新規事業の立ち上げ。

 

高澤:今後フリーランス活用を進めていきたいのですが、そのネックに「会社でフリーランスの活用事例がないので予算が取りにくい」というのがあります。皆さんがフリーランス人材と仕事をする中で、成功した事例があればお聞かせください。

齊藤 知也/デジタルハリウッド株式会社 xWORKS事業部 執行役員:大学卒業後イオン株式会社入社、新規事業部門経て、グラフィックデザイナーに転身、その後、デジタルハリウッド株式会社に入社、専門学校提携事業、法人研修事業、日本初の株式会社立大学大学院、デジタルハリウッド大学院大学設立、スクール事業ゼネラルマネージャーを経て、現在のxWORKS事業を立ち上げ、新しい働きを提案するクリエイターのキャリアサポート事業に取り組んでいる。

 

齊藤:新規事業でサービスを立ち上げた時のローンチのスピードが速かった事例があります。新しいWebサービスを立ち上げる際に、ワークフローの決定をし、各担当にフリーランスを入れることでスピード感のある立ち上げができました。運用もそのままフリーランスが担当しているので、社内に知見がある方が少なくても成功した事例です。

岡本:うちの会社も新規事業にフリーランスをアサインすることが多いです。日本の大企業は新規事業に優秀な社員をアサインすることが少ないです。その理由は失敗させたくないから。フリーランスを使って新規事業をたちあげてしまって、0から1が終わったタイミングで、社員をアサインしていく。という使い方も有効だなと思っています。

大企業は、人の配置は人事部が握っていたり、部署間での調整が必要だったりもします。社内に適任がいるのだけれど、他部署から異動させてくるのが大変なので、外部人材を活用した方が良いというケースも多いです。

高澤:社内に優秀な人材がいても、社内政治などもあるので、人材を動かすのは難しいということですよね。日本の企業には多い気がします。新規事業ということですと、エン・ジャパンの新規事業もシューマツワーカーさんからフリーランスの方をアサインさせていただいております。

松村:ありがとうございます。シューマツワーカーは、ベンチャーや中小企業が多く、大企業さんは少ないです。その中でも大企業さんからのご相談は、新規事業がほとんどです。オープンイノベーションが流行っていますけれども、大企業がスタートアップと一緒に行っていく。というのと近く、技術や知見のある個人の方と一緒に新規事業を作っていくということが増えてきています。

高澤:新規事業でのフリーランス活用が多いですね。みらいワークスさんは大手の企業さんが多いと思うのですが、どういった事例が多いですか?

岡本:最初は基幹システムの刷新など多かったです。とある金融機関の子会社同士の合併の際のPMIといわれるようなシステムや業務をどう合併しますか?というような案件です。大きなプロジェクトで山があるようなものですと、社員だけではどうしても足りなくなるので、そういったケースが多いですね。大規模ですと、フリーランスだけで30人ぐらいのチームを組んだりしています。

高澤:良い事例ですね。ERPやPMIもいけるって大きなプロジェクトですよね。そこでフリーランスが多数活躍できるってすごいですね。ちなみに、Webデザインの領域でも大規模なものもあるんですかね、齊藤さんいかがですか?

齊藤:大規模サイトを構築したこともあるのですが、数でいうと小規模から中規模の方が多いですかね。バナー制作やLP制作など手数がたくさん必要な案件の方が多いですね。

 

フリーランス人材を活用して失敗した事例とは?契約前のすり合わせが大切。

 

高澤:これからフリーランスと仕事をする方たちが失敗を防げる様に、失敗例などもお聞きしたいです。松村さんいかがでしょうか。

松村幸弥/株式会社シューマツワーカー 代表取締役社長:1989年生まれ。2012年に横浜国立大学を卒業し、新卒で株式会社 ボルテージに入社。会社員時代に200万円の借金を背負い、その返済のために副業を探すもまったく見つからなかった経験から、副業したい人と企業をマッチングするサービス『シューマツワーカー』を立ち上げる。

 

松村:副業人材活用にはまだ事例が少なくて落とし穴も多いです。ひとつは、作業時間ですね。副業人材の作業時間は、平日夜と朝、土日だったりするのですが、発注側がそこを理解していないケースがありました。もうひとつはコミュニケーションの部分です。平日日中にミーティングなどのコミュニケーションをとりたい場合、それが可能な人とそうでない人がいるので、契約前の握りが重要ですね。最初の握りさえしっかりすれば、1年~1年半とか継続していくことが多いです。

高澤:長いですね。みらいワークスさんではフリーランスから正社員になるケースとかもあるんですよね?

岡本:そうですね、みらいワークスでは大人のインターンというサービスがあります。業務委託で仕事を始めてもらって、相性が良ければ正社員になっていくという仕組みです。フリーランスの方もずっとフリーランスとこだわっているわけではなくて、良い仕事があれば雇用されても構わないというケースも多く、働き方は柔軟になっています。これからも「その時その時で、自分に合った働き方を選択していく」という方が増えていくと思います。

 

外部人材の活用は企業にどのような影響を与えるか?

 

高澤:それでは最後に「外部人材の活用は企業にどのような影響を与えるか」について伺えればと思います。

岡本祥治/株式会社みらいワークス 代表取締役社長:2000年に慶應義塾大学理工学部を卒業後、アクセンチュア株式会社、ベンチャー企業を経て、47都道府県を旅する中で「日本を元気にしたい」という想いが強くなり起業。2012年にみらいワークスを設立し、2017年12月に東証マザーズへ上場。経済同友会会員、一般社団法人日本スタートアップ支援協会顧問。

 

岡本:企業をどう変えたかというよりも、企業で働いている人をどう変えたか?の方が面白いと思うので、そちらをお話しします。独立・起業をする人は、過去の人生で、独立・起業した人を見たことがある人なのですが、日本の大企業ではそういう人を見ることは少なかった。しかし、最近はフリーランスの人が大企業で一緒に仕事をすることも出てきて、「そういう働き方もあるんだ」と人生の選択肢が増えてきていると感じます。

働き方の多様化により、人材の流動性が広がるということで、企業にとってマイナスなのでしょうか?実はマイナスではなくて、働き方も含めて外部に目を向けるということは仕事の幅を広げることになります。これからの時代、企業が人から選ばれる会社にならないといけないと思います。

高澤:フリーランスをひとりいれると、社内の人たちの視野が外に向く効果があるんですね。それだけでもチームに一人フリーランスをいれてみる価値はありますね。

松村:日本では労働人口は減っていきます。50年後には日本の人口は3分の2になるというデータもあります。その解決策の一つが副業人材の活用だと思います。もう一つのテーマはデジタルトランスフォーメーションです。

地方の中小企業はまだITリテラシーは低いです、まだまだFAXを使っていたり。東京で副業をしたい人たちが、地方の企業へのIT導入などを行うことで仕事の効率化を一気に行なって、発展させていくことができるんじゃないかなと思っています。

岡本さんもおっしゃっていましたが、マインドやモチベーションが高い副業する人たちと触れることで、地方の方々の意識もどんどん変わっていくと思います。日本の企業を元気にしていくと思います。

高澤:外部人材の活用により、組織がオープンになるなどのお話しをいただきました。33%の取引率をあげて、世の中がより流動的に滑らかになっていけるように、我々も力を尽くしていきますので、よろしくお願いします。

 

企業成長のために鍵となる外部人材の活用

 

労働人口の減少、働き方の多様化により、正社員の雇用はますます難しくなっていきます。その様な中で、外部人材の活用はますます重要となってきます。外部人材を活用することで、社内で働いている人材の視野が広がるなどの良い影響や、新規事業の立ち上げのスピードアップなど、様々な側面で企業成長が見込めるというお話をお伺いしました。今後、社内も社外も関係なくチームを作る企業が当たり前になるのではと感じたセッションだったのではないでしょうか。

とはいえ、フリーランスと仕事をしたことがある企業は33.3%という低い現状があります。まずは、フリーランスのエージェントサービスなどを活用し、自社で外部人材を活用するにはどうすれば良いのか?を相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

カンファレンスのイベントレポートは各セッションのものを発信していきます。次セッションのレポートもご期待くださいね。

カンファレンスの総まとめ、ラストセッションのイベントレポートはこちら

 

[参考文献]

一覧へ戻る