TOPお知らせ支払調書の発行義務はある?確定申告の際の添付は必要? – pasture

支払調書の発行義務はある?確定申告の際の添付は必要? – pasture

支払調書とは、フリーランスなどの個人に特定の仕事を発注して報酬を支払った場合に、年間の支払金額や源泉徴収税額を税務署に報告する書面のことです。支払調書に関しては、「どんな取引をした場合に作成するのか?」「どのように作成・記載するのか?」「どこにいつまでに提出するのか?」などの理解が不十分な担当者様も少なくありません。今回は、支払調書の趣旨や発行義務などについて解説していきます。

■支払調書とは?

企業がフリーランスなどの個人に特定の仕事を発注して報酬を支払う際に、その報酬からフリーランスが納めるべき所得税を天引き(源泉徴収)して、代わりに納税しなければならない場合があります。これを「源泉徴収制度」と言います。源泉徴収制度については、以下の記事で詳しく解説しています。

企業が個人との取引において源泉徴収をおこなっている場合、年間で支払った報酬額や源泉徴収税額を集計した支払調書(報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書)を作成し、税務署へ提出することが義務付けられています。支払調書は年に1回、1月31日までに提出する必要があります。たとえば、2020年分の支払調書であれば、2021年1月31日までに提出しなければいけません。

なお、本記事で言う「支払調書」は「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」のことを指します。

 

  • 税務署が支払調書を求める理由

支払調書は法定調書の一つであり、後述する「支払調書の提出範囲」に該当する場合は必ず作成して、税務署へ提出しなければいけません。

なぜ、税務署が支払調書の提出を求めるのかと言うと、一つの理由として、フリーランスなどの個人が税金を正しく申告しているかどうかを確かめるためということが挙げられます。報酬を支払う企業側に支払調書の発行・提出を求め、その支払調書からお金の流れを把握することで、フリーランスなどによる確定申告の内容が適正かどうかチェックしています。

 

■支払調書の発行義務・提出義務

支払調書の発行・提出が必要かどうかは、支払った報酬の内容によって変わってきます。以下の「支払調書の提出範囲」のいずれかに該当する場合は、支払調書を作成・提出する義務があります。代表的なものでは、原稿料やデザイン料、講演料、弁護士や税理士への報酬です。こうした内容の報酬を支払った場合は、支払調書の発行・提出が必要になります。

なお、支払調書の発行義務・提出義務があるのは「源泉徴収義務者」と呼ばれる、報酬を支払った事業者となります。

 

  • 支払調書の提出範囲
1. 外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬、料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬、料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

2. 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額

3. プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの

4. 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの

5. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

※ 引用:No.7431「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

■支払調書をフリーランスに発行する義務はない!

企業が個人との取引において源泉徴収をおこなっている場合、支払調書を発行し、税務署へ提出することが義務付けられています。

勘違いが多いポイントでもありますが、支払調書の提出先は「税務署」であり、報酬の支払いを受けた者(フリーランスなどの個人)への提出は義務付けられていません。企業が支払調書を発行・提出する趣旨は、あくまで「年間を通して取引先にいくら支払い、いくら源泉徴収をしたのか」を明らかにして、税務署に報告することです。

しかし、慣例的に報酬を支払ったフリーランスにも支払調書(控え)を発行している企業は多々あります。そのため、フリーランス側からすると「A社は支払調書を発行してくれたのに、B社は発行してくれない」といった状況が起こり得ます。この場合、もしかしたらB社はフリーランスから支払調書の発行を求められるかもしれませんが、法的には応じる義務はありません。

一方で、フリーランス側の事情としては、支払調書があったほうが確定申告書を作成する際の計算などが楽になります。そのため、フリーランスのエンゲージメントを高めるなどの観点から、手間でなければ発行すると良いでしょう。

フリーランス側としても確定申告の際に支払調書の控えを添付することは義務付けられていませんし、発行する事業者側も控えを発行することは義務ではありません。

そのため、取引開始時に相手方と相談したり、バックオフィススタッフの手間などを加味し、発行の有無については企業で判断してください。

 

 

■支払調書の書き方・記載項目

支払調書では、報酬を支払った側が「誰に、どんな内容の報酬を、年間でいくら支払い、いくら源泉徴収をしたのか」を明確にする必要があります。そのため、一定の記載項目が定められています。

支払調書の書き方や記載項目、作成時の注意点などは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

■支払調書に関するよくあるQ&A

  • Q:支払調書と源泉徴収票は何が違いますか?

支払調書と似た法定調書に源泉徴収票があります。いずれも、報酬や給与を支払った事業者が、1月から12月までの1年分の支払金額や源泉徴収税額などを記載して報告するための書面です。

企業が、従業員に支払う給与から源泉徴収をした場合に発行するのが源泉徴収票であるのに対し、企業が、フリーランスなどの個人に支払う報酬から源泉徴収をした場合に発行するのが支払調書です。

もう一つ、源泉徴収票と支払調書の相違点は、「誰に対して提出する義務があるのか」ということです。源泉徴収票は、税務署に対して提出義務があるだけでなく、給与を支払った相手(従業員)に対しても提出しなければいけません。一方、支払調書は上述のとおり、税務署に対する提出義務はありますが、報酬を支払った相手(フリーランスなどの個人)に対して提出する必要はありません。

 

  • Q:支払調書にマイナンバーの記載は必要ですか?

支払調書を発行する際は、原則として、支払先(フリーランスなどの個人)のマイナンバーを記載しなければいけません。そのため、あらかじめフリーランスからマイナンバーを提供してもらう必要があります。

ただし、これは税務署へ提出する支払調書の話です。慣例的にフリーランスに支払調書(控え)を発行している企業もありますが、個人情報提供の制限規定により、個人に提出する支払調書(控え)にはマイナンバーを記載することはできません。つまり、税務署提出用の支払調書をコピーして送付するのはNGです。フリーランスに支払調書(控え)を提出する際は、必ずマイナンバーの記載がないことを確認するようにしましょう。

 

■まとめ~支払調書の発行は正確かつスピーディーに

ライターやデザイナー、エンジニアやカメラマンなどのフリーランスに報酬を支払い、源泉徴収をしている場合は、支払調書を発行して税務署に提出する必要があります。提出期限は毎年1月31日です。間違いのないように作成して、期限内に提出するようにしましょう。

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