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検収業務とは?管理方法の課題と効率化する方法 – pasture

下請法では、親事業者(発注者)の義務の一つとして支払期日を定める義務を課しています。下請代金の支払期日は、給付を受領した日から60日以内に設定する必要があり、発注者は検収中であることを理由に支払いを延期することはできません。この「検収」という概念に関しては、発注者側も受注者側も、その意味や効果を正しく理解していないケースが目立ちます。今回は、プログラマーやデザイナー、ライターなどフリーランスへの情報成果物作成委託を前提に、検収業務について解説していきます。

 


■検収とは?

検収とは、フリーランスなどの下請事業者から納品された成果物が発注内容どおりであるかを検査して、受け取ることを言います。

  • 検収と納品との違い

検収と混同されがちな概念が「納品」です。納品と検収は同義で使われることがよくありますが、実際には意味が異なります。

一般的に納品と言ったら、フリーランスなどの下請事業者が成果物を親事業者に納める(提供する・提出する)ことを意味します。つまり、納品をするのは下請事業者です。これに対して検収は、下請事業者から納品された成果物が発注内容どおりであるかを検査し、問題がないことを確認して受け取ることを意味します。つまり、検収をするのは親事業者です。

順序としては、「下請事業者による納品 → 親事業者による検収」となるのが通常です。

 

■発注から検収までの流れ

フリーランスへの情報成果物作成委託を前提に、発注から検収までの一般的な流れをあらためて確認しておきましょう。

  • 発注(依頼)

フリーランスに仕事を発注します。その際、下請法が適用になる取引においては、親事業者から下請事業者へ発注内容を明確に記載した発注書(注文書)などの書面を交付しなければいけません。発注書(注文書)の書き方は以下の記事で詳しく解説しています。

>> 下請法に沿った発注書(注文書)の書き方を解説! – pasture

  • 受注

フリーランスが仕事を受注します。その際、親事業者に受注した意思を示すために注文請書を発行する場合があります。ただし、注文請書は必ず発行しなくてはならない書面ではなく、取引先が必要とする場合に発行するのが一般的です。

  • 納品

フリーランスが受注した仕事を完了させたら、親事業者に納品します。納品とは、上述のとおり成果物を提出・提供することです。その際、仕事が完了したことを示すために納品書を発行する場合があります。ただし、納品書は必ず発行しなくてはならない書面ではなく、取引先が必要とする場合に発行するのが一般的です。

  • 検収

親事業者は、フリーランスから納品された成果物の検査をおこない、不備がないかなどを確認します。検収の結果、不備などが見つかった場合は修正を求めます。問題がなければ、検収完了となります。その際、検収が完了したことを示すために検収書を発行する場合があります。ただし、検収書は必ず発行しなくてはならない書面ではないので、検収完了の旨を通知するだけでも構いません。

  • 請求

通常は、検収が完了したらフリーランスが親事業者へ請求書を発行します。請求書は法的に発行する義務のある書面ではありませんが、日本の商習慣においては作成するのが通例となっています。請求書に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

【フリーランス向け】
>> 正しい請求書の書き方・作り方を紹介!請求書発行の際に知っておきたいポイントとは? – pasture
フリーランス向けの請求書に源泉徴収の記載は必要? – pasture

【企業向け】
>> 請求書の電子化のメリットと注意点を解説! – pasture
>> 請求書の管理方法を詳しく解説! – pasture

  • 支払い

親事業者からフリーランスへ支払いをおこないます。支払いを受けたら領収書を発行する場合もありますが、現金以外の場合は省略するケースがほとんどです。

 

■検収業務の注意点

親事業者が検収業務をする際には、以下の点に注意するようにしましょう。

  • 下請法で求められる「60日以内の支払い」を遵守する!

下請法は、親事業者によって下請代金の支払期日を不当に遅く設定することを防止するため、親事業者に「支払期日を定める義務」を課しています。

▼下請法 第2条の2「支払期日を定める義務」

親事業者は、下請事業者との合意の下に、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査するかどうかを問わず、下請代金の支払期日を物品等を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者が役務の提供をした日)から起算して60日以内でできる限り短い期間内で定める義務があります。

※ 親事業者の義務:公正取引委員会 より引用

下請代金の支払期日は、受領した日から60日以内に設定しなければなりません。ここで言う「受領した日から60日以内」というのは、「納品から60日以内」という意味であり、「検収から60日以内」という意味ではありません。60日の起算点は、検収の完了日ではなく納品日になります。つまり、親事業者は、検収が済んでいるか済んでいないかにかかわらず、納品日から60日以内に支払いをおこなう必要があるわけです。

また、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」では、以下のように定められています。

▼下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準

次のような場合は、下請代金の支払遅延に当たる。「毎月末日検収締切、翌月末日支払」等の検収締切制度を採っている場合に、検収に相当日数を要したため、給付の受領日から60日目までに下請代金を支払わないとき。

※下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準:公正取引委員会 より引用

つまり、「まだ検収中だから」「まだ検収が終わってないから」といった理由で支払いを延期することはできないということ。納品日から60日以内に支払いをしないと、支払遅延となります。

▼支払いサイトに要注意!

下請法の「60日ルール」について、具体的な日付で計算してみましょう。

たとえば、「検収完了日が属する月の翌月末日」を支払いサイトとしていた場合

・9月20日:フリーランスが納品をする(納品日)

・10月1日:親事業者が検収を完了する(検収完了日)

・10月31日:フリーランスが請求書を発行する(支払期日は11月末日)

・11月30日:親事業者がフリーランスへ支払いをする(支払日)

これはよく見られるパターンですが、納品日から支払日まで60日以上の期間が空いているため、下請法に違反していることになります。

  • 検収業務に書面は不要!?

検収業務をおこなう際に、法的に必ず作成・交付しなければならない書面はありません。ただし慣例的に、親事業者が問題なく検収が終わったことを示すために検収書を発行することがあります。

通常、フリーランスは検収完了をもって請求書手続きに移るため、検収書を発行しない場合でも、検収が完了した旨をフリーランスに通知するのがマナーです。

  • 検収後の修正依頼はできない!?

原則として、親事業者が検収を完了した後は、フリーランスに成果物の修正を求めることはできなくなります。ただし、業務委託契約によって契約不適合責任(瑕疵担保責任)が定められている場合は別です。契約不適合責任とは、検収後に成果物に不備(瑕疵)が見つかった場合に、フリーランス側が無償で補修・修正をしたり、報酬の減額請求に応じたりする責任のことです。

 


■検収業務を効率化する方法とは?

検収業務は、できるだけ迅速におこなうことが大切です。検収が遅れるとフリーランスの請求書発行も遅れ、結果的に「60日オーバー」で下請法違反になってしまうことがあります。

また、意外と多いのが、親事業者は検収をしたのにフリーランスが請求書発行を失念しているケースです。この場合も、「請求書が届かなかったから支払いが遅れた」という理屈は通らず、60日をオーバーした瞬間に下請法違反となります。このようなリスクを回避するには、手作業での検収業務ではなくシステム化を図ることが重要です。

フリーランスマネジメントに特化したクラウドサービス「pasture」なら、下請法に対応した検収業務が可能。納品日から60日を超えた支払日を設定するとアラートを発する機能や、発注書や請求書の自動発行機能などで下請法違反のリスクを低減します。発注から検収、請求まで、下請法に対応したオペレーション体制を構築できる「pasture」の詳細はこちら

 


■まとめ~下請法を遵守して正しい検収業務を~

検収業務に不備や遅れがあると、フリーランスとのトラブルに発展しがちです。無用なトラブルを避けるためにも、常に正しく迅速な検収業務を心がけましょう。

正しい検収業務をおこなうためには下請法の理解が欠かせません。下請法については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>> 下請法とは?発注者側が守るべき義務と取り組むべきことを分かりやすく解説 – pasture

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